2008年5月13日火曜日

MOSFETとトランジスタ

※間違えているかもしれませんが了承ください。

ここ最近のsup85n15-21の試験で、おかしかったところがわかった。初回試験時の異常発熱は写真中の図①と②で発生していた。①のおかしいところは、、、

そう、電源は12Vあるがランプでボルテージを消費した後の位置からゲート電圧を取っているため電圧が低くなっておりVgsに必要な電圧10V(スペックシート記載のVgs(on))を確保できていない。

続いて②のおかしいところはゲート接続先は12Vある。但しソースの電圧がGNDではなく、ランプでの消費予定分が乗っかったボルテージになっておりこちらもVgsに必要な10Vを確保できていない。

これらの時のVgsは4.53Vで電流は2.8A。実に12.684ワットの消費をしていた。
Pd(Maximum Power Dissipationb)が2.4ワットとの記載があり、、、壊れてもおかしくない??という状況になっていたと思われる。巨大なヒートシンクが1分もたたないうちに「触ることはできるが熱い」という状態になってしまっていた。

③の図が正解。Vgsが10Vを超え,Vdsが51mV,電流3.72Aを確認した。MOSFETの発熱は確認できなかった。

ちなみにMOSFETの状態は下記の計算になる。
51mV/3.72= 13.71mΩ
51mV * 3.72A= 0.189ワット

ここで、トランジスタ-MOSFETの性能と使い方について何かカッチリしてきたので記録しておこう。

NPN形トランジスタやN形MOSFETは負荷をコレクタ側、もしくはドレイン側に接続するという理由が見える。be間の電流やGS間の電圧を決定する際に設計しやすいからという理由だろう。 (写真の図を見るとわかりやすい。)
PNP型トランジスタやP形MOSFETは同様の理由で負荷をエミッタ側もしくはソース側に接続する。

さて続いてトランジスタ、MOSFETの利用制限についてもわかってきた。スペックシートにあるVceo,Vdsは何を表しているか。この両端にかけれる最大電圧となっている。これは遮断状態における両端電圧ということ。通電状態でトランジスタ、MOSFETが破壊される電圧との意味ではない。

ではどれだけの電気をドライブできるのか。これが結構ややこしい

■トランジスタの場合
必要な情報は最大規格のコレクタ損失Pcとコレクタ電流Ic、それとIc-Vceグラフ。
Ic-Vceグラフ上でIcの最大値とIbの最大値あたりの交点とそのVceが最大性能となる。

2sc1815のスペックシートを例にすると、最大規格のIcは150mA、Ic-Vceグラフを参照します。グラフ中のIb=6.0mAとIc=150mAの交点のVceがだいたい0.5Vとなっている。
これは、ベース電流6.0mAの時にIcに150mAを通すとce間に0.5Vの電圧(損失)が発生すると読む。この時の損失がPcの400mWを超えていなければ、ドライブ可能である。

150mA * 0.5V=75mW

スイッチとして使う分にはかなり大物をドライブできることがわかる。

※Icが150mAを超えることは保障されていないし、性能限界ぎりぎりまで使用することは好ましくないので、通常この設計値は使わない。
※これに放熱計算をして、必要時ヒートシンクを用意します。(通常2sc1815にはつきません)



※2sc1815で12V91.6mA をドライブして問題が無いことを確認した。








■MOSFETの場合

最大通電能力に必要な情報は最大規格のIdとPd,DS(on),Safe Operating Areaグラフかな?

0 件のコメント: